2019年トノサマバッタ日記(10)ー脱皮のない世界

2019-06-25




ちょっと番外編です。

脱皮は失敗する

これまで、バッタやザリガニの脱皮で、何度も「失敗」を目にしてきました。

野生よりも飼育だと環境が悪いということもあるのかもしれませんが、脱皮のときに手足を失ってしまうのです。

ザリガニのハサミであれば生えてくるのでしょうが、それ以外は基本的に回復しません。

今回の1齢幼虫から2齢幼虫への脱皮でも、失敗を3件ほど見ました。

脱皮時に後ろ足の片方がうまく脱皮できず(脱皮した殻から抜くことができず)片足を失ってしまいました。

脱皮時にすぐに抜けなければ、そのあとで(体が硬くなったあとで)抜けることはほぼありません。

そのままでは、脱皮の殻をずっと引きずって行動することになりますので、体力を消耗してすぐに死んでしまいます。

なので、人の力で脱皮の殻をはずすのですが、足が曲がっていたり切れたりしています。それでも殻をはずした方が「まだいい」という思いです。

虫に痛みや気持ちがあるのかは分かりませんが、そのような現場に居合わせるのは誠に勝手ながらとてもつらい気持ちになります。

そもそも、細長い足が何本もある(そんなに賢くないと思われる)生き物が、複雑な服を脱ぐという行為自体が無謀な無理難関という気がしてなりません。

それを「全員」が「何度も」「必須で」行うなんて、正気の沙汰とは思えません。

ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)を手を使わないで脱ぐような難しさを想像しています。無理でしょ。

zozoスーツ 脱皮できない

(お届けできません)

皆が幸せになれる「脱皮のない世界」

トノサマバッタは一生で6回脱皮します。脱皮1回の成功率が98%だとすると、すべての脱皮が成功する確率は0.98の6乗で、約89%です。1回の成功率が95%だとすると6回すべて成功の確率は約74%になります。

「普通」に脱皮に成功していることも何度も見ていますが、何度見ても「成功するのが異常」としか思えないくらい難しそうなので、成功を見るのは毎回とても嬉しい気持ちになります。

なので、このバッタ界の旧態依然の「脱皮」というシステムから、安全でスマートに体を大きくする新しい方法への変革を切に願っています。

変なこと言ってすみません。

以上。

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