TAMIYA 1/24 R32 GT-Rを極める制作記07 初めてのスジ彫り
まず、ボディの塗装前の下準備の一環としてスジ彫り(筋彫り)をします。
使う単語に方言的な誤差があるかもしれませんが、初心者ですのでご容赦願います。
目次
スジ彫りとは
カーモデルの場合、ドア、フェンダー、ボンネット、トランクなど、各パネルの間に溝(パネルライン)があります。
この溝ですが、例えばサフ、1色目、2色目と塗装を繰り返すと段々浅くなってしまい、特に薄い色・明るい色で塗装した場合、凹凸が浅くなるとドアとボディなど境目が見えづらくなりメリハリのないボディとなってしまいます。
塗装によって溝が浅くなってしまうことを見越して、あらかじめ溝を自分で掘り直しておくことをスジ彫り(筋彫り)といいます。
つまりスジ彫りの目的は、「パネルラインが塗装で浅くならないようにする予防」ということになります。
スミ入れとは
スジ彫りと関係してくるのが、スミ入れ(墨入れ)になります。
スミ入れというのは、パネルラインにあえてブラックやグレーなど線状で着色することでパネルラインを目立たせる作業になります。
ペン等で着色する方法の他に、1mm以下のラインシールを貼ることで実現する場合もあると思います。(シールの場合は、「スミ入れ」と言わないかもしれませんが、目的はスミ入れと同じになります)
スミ入れしていないと↓こんな感じになります。
ドアやドアハンドルの境界部分の陰影が弱く、スミ入れもされていないのでノッペリとした印象になってしまいます。
プラモデルではありませんが、ボンネットの境目にシールを貼るとこんな感じになります。↓
↓シールがないとこんな感じです。
境目が分かりづらいので、デザインや凹凸が分かりづらくなります。
スジ彫りとスミ入れに対する持論
つまり、スジ彫りは凹凸でパネルラインを目立たせ、スミ入れは色でパネルラインを目立たせることになります。
目的はどちらも同じですが、手段が違うということですね。
似たような目的のスジ彫りとスミ入れですが、工程の順序としても大きく異なります。
スジ彫りは、ボディの下地処理としてかなり序盤に行いますが、スミ入れは塗装の最後の方の工程になります。
スミ入れって、クリアの前と後、どっちでやるんでしょうね?
スジ彫りとスミ入れについて、ここで個人的な考えを。
スジ彫りについては、どの色を塗るにしてもやった方がいいと考えています。
実車の場合、パネルラインは奥底の見えない氷山のクレバスのような深い溝になります。
プラモデルで深く彫ることは実車の見え方に近づくことになります。
もちろん、プラスチックを貫通しないように加減は必要です。
スミ入れについては、ホワイとやシルバーなどの淡い色や明るい色についてはやった方がいい場合もあります。
淡い色の場合は、パネルの区切りを目立たせることでメリハリがつきますが、やりすぎると不自然な印象を与える場合があります。
個人的には、ホワイトのボディで彫りが浅いのに、スミ入れがブラックだとコントラストが強すぎて違和感を感じますが、人によってはデフォルメされたようなそっちの方が好きだという人もいるのかもしれません。
最終的には好みの問題になるかと思います。
濃い紫やガンメタのボディに対してスミ入れすることは、スミ入れとボディの色が近いためコントラストが弱く、効果も小さいと考えています。
人によっては、「効果が小さくてもやる」というこだわりもあるかもしれません。
スジ彫り・スミ入れする「場所」に対する持論
(呼び方が正しいか自信はありませんが)実車のボディの線(ライン)には、「パネルライン」と「プレスライン」があると思います。
パネルラインは、パーツとパーツの境目になります。つまり実際につながっていません。
プレスラインは、ボディの「デザイン」を目的としたものとなります。つまりパーツはつながっており、「段差」が線に見えるということです。
R32 GT-Rを例にすると
↓青がパネルラインで、赤がプレスラインになります。
「私の場合」はパネルラインつまり青の部分に、スジ彫りします。
塗装する色はガンメタ(濃い色)の予定なので、スミ入れはどこにもしません。
赤の部分はデザイン的なプレスラインなので、スジ彫りもスミ入れもしません。
スジ彫り開始
スジ彫り・・・
YouTubeでも見ればいいのでしょうが、他人がスジ彫りしているところをみたことがないので、想像で作業してみます。
スジ彫り専用の工具もあるようなのですが、やってみないことには問題点も分からないので、今回は家にあった錐(きり)のような道具を使って作業します。
この道具、意外といい仕事してくれました。
最初の数回は、力を入れずに引きながら慎重になぞる。というのがコツかと思います。
何度かなぞってアタリがでれば、スピードも力も増やしていけますが、慎重に越したことはないと思います。
(後ろのペットボトルもスジ彫りしたようなデザインで紛らわしくてすみません)
初心者としてブログを始めて以来、長期間
プラモデル本を読んだり、人様のプラモデル作品を見たり、ブログを読んだり書いたりしてきた私。
その私にとって
作業時間は1時間程度だったと思います。
慣れたので次回は半分以下でできると思います。
スジ彫りした場所
今回、私がスジ彫りした箇所は以下になります。
実際の作業はサフを吹く前にスジ彫りを行いました。
ボンネットは別パーツとなっているので、境目のスジ彫りはしていません。
窓周りの部分は、元々の溝がかなり浅いというか、「曖昧」とも言えるレベルでちょっと神経すり減ります。
しかも、プラスチックが薄い部分なので、やり過ぎて穴をあけてしまわないように気をつける必要があります。
バンパー中央のエアダクト(開口部)周りは、元々の溝がかなり浅いので、スジ彫りが必要な方は神経を集中してやってください。
必要ないならやらない方がいいかもしれません。
最初は「(難し過ぎて)できないかも・・・」と思いましたが、やってみたらできた、という感じです。
やってみると教科書通りにはいかない
実践してみる前は、「溝を深くするだけ」だと甘く見ていました。
やってみるといろんなパターンがありました。
さらに、言葉で説明するのも絵で描くのも難しいのですが、2種類の傾斜の谷が切り替わるというか・・・
左に寄せて彫っていたのに、途中で右に寄せなくてはならない、みたいな。
「どうすればいいのか分からない」という箇所も意外とありました。
これ↑、どうなっているんでしょうね?パネルラインとパーティングラインが融合しているような・・・
専用工具を使わなかったから?
スジ彫り専用の工具を使わなかったためか、彫った際の部分がけば立つというか、ささくれのようになってしまうような部分がありました。
これ、どうしましょう。
考え方によってはスジ彫りしない方がいいのかもしれませんね。
とりあえず、爪でゴリゴリしたり、サンドペーパーでなんとかしてみる予定です。
・・・
で、その後NOMOKENのP69を読みましたが、作業後はやはりペーパーで仕上げるようです。
我が家にあった錐のせいではありませんでした。
ちなみに私の場合、ペーパーで仕上げる前にサフを吹いてしまいました。
スジ彫り専用工具
スジ彫り用の工具としては、「ケガキ針」「デザインナイフ」「エッジングノコ」「Pカッター」などというようなものを使用するようです。
また、ズレないように「ガイド」というものも併用すべきとのことです。
NOMOKENのP68から4ページに渡って、スジ彫りのパターン(深くする、太くする、凸彫りを凹彫りにする、など)についていろいろ書かれています。
使いこなしていないので分かりませんが、深くするならケガキ針、太くするならデザインナイフ、でしょうか。
やってみて感じたこと
スジ彫りの当初の目的は「溝を深くすること」だと考えていましたが、
後の工程で重要になってくる
「塗り分ける境界線をはっきりさせる」
ためにも必要だと感じました。
ほとんど溝になっていないような曖昧な境界線というのもかなりあると感じました。
GT-Rの場合は窓枠部分ですね。
また、かなり失敗して、手が滑ったような感じではみ出して何ヶ所も傷つけたと思いますが、後の工程でサフを吹いた時に、傷はなくなりました。ラッキー♪
吹いたサフは、GSIクレオス MR.HOBBYのMr.サーフェイサー1000です。
個人的まとめ
自分で次に作業するときの備忘録にもなりますが
スジ彫りについてまとめておくと
- スジ彫りの目的(1)は、塗装で溝が埋まらないように深くすること
- スジ彫りの目的(2)は、色を塗り分ける場合の境界線をはっきりさせておくこと
- パネルラインはスジ彫りする
- プレスラインはスジ彫りしない
- 最初の数回は特に慎重に、アタリがつくまで力を入れずに軽く引きながらなぞる
- 溝の入り方(リズム)が切り替わる部分に注意する
- スジ彫りが終わったあとは、ペーパーでささくれを処理する
でしょうか。
以上。
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